月光とピエロ
T 月
夜
月の光の照る辻に
ピエロさびしく立ちにけり
ピエロの姿白ければ
月の光に濡れにけり。
あたりしみじみ見まわせど
コロンビイヌの影もなし。
あまりに事のかなしさに
ピエロは涙ながしけり。
U
秋のピエロ
泣き笑いしてわがピエロ
秋じゃ! 秋じゃ!
と歌うなり。
O(オー)の形の口をして
秋じゃ! 秋じゃ! と歌うなり。
月のようなる白粉の
顔が涙を流すなり。
身すぎ世すぎの是非もなく
おどけたれどもわがピエロ
秋はしみじみ身に滲(し)みて
真実なみだを流すなり
V ピエロ
ピエロの白さ!
身のつらさ!
ピエロの顔は
真白け!
白くあかるく
見ゆれども
ピエロの顔は
さびしかり!
ピエロは
月の光なり!
白くあかるく
見ゆれども
月の光は
さびしかり!
W
ピエロの嘆き
かなしからずや身はピエロ、
月の孀(やもめ)の父無児(ててなしご)!
月はみ空に身はここに
身すぎ世すぎの泣き笑い
X月光とピエロとピェレットの唐草模様
月の光に照らされ
ピエロ、ピエレット。
月の光に照らされて
ピエロ、ピエレット
歌いけり、
ピエロ、ピエレット。
踊りけり、
ピエロ、ピエレット。
歌いけり、
ピエロ、ピエレット。
踊りけり、歌いけり、
ピエロ、ピエレット。
ピエロ、ピエレット。
月の光に照らされて
ピエロ、ピエレット
ピエロ、ピエレット
月の光に照らされて
男声合唱組曲 作詞:堀口
大学/作曲:清水 脩
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